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気になる組織マネジメントとは?求められる資格や要素は?

知識の泉  2019年05月2日

マネジメントには、「目標マネジメント・人材マネジメント・育成マネジメント・予算マネジメント・時間マネジメント・リスクマネジメント」以上の6つの代表的なマネジメント項目があります。今回は、その中でも会社・組織全体に関わる、「組織マネジメント」について解説していきます。

組織マネジメントとは

組織とは、同じ目的・目標をもった複数の者が集合し、
それを達成するために生まれる集合体です。企業もこれに当てはまり、マネジメントとは管理を行うという意味になります
。つまり、会社における組織マネジメントとは、組織を運営・維持していくために、良い状態を継続し管理していく、という事になります。この際の、「良い状態」とは組織を構成する人材の数に関わらず、明確な目標を持ち、かつその目標に対して「One for all,All for one(一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために)」の精神で突き進んでいる状態のことを指します。
会社で必要なのは、経営者、経営陣がその会社全体を、管理しまとめる事ですね。
その為に、会社には様々な役職が存在しています。ここで注意して頂きたいのですが、例えば「CEO」と「CFO」…行う業務は異なりますが、組織マネジメントに関しては、見る範囲の大きさが異なるだけで、意識すべき点は同一ということです。それは、100人の組織と10人の組織であっても同じです。そのため、「組織マネジメント」に関して、会社のトップだけでなく、そこから枝分かれして存在する管理職の方々も理解し、取り入れる事が必要と云えます。
では、企業における組織マネジメントとはなんなのか。その答えは、社員の意識・パフォーマンスの向上や、社内全体の最適化を目指すために、シナジー効果を促したり、資産やリスクを管理し、分析して、改善、対策を行い、リスクをコントロールするなどの、計画や調整をしたり、「戦略を練る」事とされています。つまり、どの立場であろうと共通して言えることは、「いかに、メンバーに業務・活動を円滑に実行してもらうのか」これを突き詰めることが大切という点です。

組織マネジメントの7S|経営資源7つの要素

組織マネジメントは、7つの経営資源に分類する事ができます。この7つのワードの頭文字が、全てSから始まる為、組織の7Sと呼ばれます。

  • 戦略(Strategy)
  • 組織(Structure)
  • システム(System)
  • 価値観(Shared Value)
  • スキル(Skill)
  • 人材(Staff)
  • スタイル(Style)

経営資源の要素として挙げられているのが、上記の7つです。
これは、シカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼーの会社である、マッキンゼー・アンド・カンパニーが開発したもので、マッキンゼーの7Sともいわれています。
そしてこの7つの経営資源は、さらに2種類のSに分類されます。
それが、「組織構造のハードのS」と「人に関するソフトのS」です。
噛み砕くと、

  • ハードとは:目に見える部分の構造であり、コントロールしやすい
  • ソフトとは:目には見えない部分の構造であり、コントロールしにくい

と解釈できます。
組織マネジメントを行う際には、手がつけやすいハードの3Sが重要視されますが、
最終的には、ソフトの4Sとのバランスが大切になります。
そのため、「システム的な部分の整備は整っている」という企業様は「ソフトなS」から、「システム的な制度もまだ未整備」という企業様は「ハードなS」から取り組むことを推奨いたします。それでは、この概念の元それぞれの「S」ついて、詳しくご紹介していきます。

組織構造に関する「ハードの3S」

ハードに分類される3つのSは、経営陣が固い意志を持って計画的に行えば、
短い期間でも十分に変更、改善が可能でコントロールしやすいものです。

  • 戦略(Strategy):事業のメリットを保つために必要な戦略の優先課題を明らかにする
  • 組織(Structure):組織構造の内側の上下関係、コミュニケーションの取り方
  • システム(System):管理,情報システム、流れをスムーズにするルールや制度

戦略(Strategy)
組織の方向性を決定し、事業のメリットを保つための戦略です。
そのメリットを維持するために、その他の経営資源をいかにして活用するのか、
どう配分するのかを決める基準になります。事業単体の力である一定のレベル(単純指標は、売上,粗利,営利と云えます)まで押し上げる上で重要なSであり、企業によっては、この戦略を専門とする「戦略部」が存在する所もあり、事業のメリットを維持するには、「優先して取り組まなければいけない課題が何なのか?、何を率先して行うべきなのか?」を明らかにします。
これは、組織の理念や目標を達成するためのセオリーになります。
組織(Structure)
戦略を上手く進める為の組織の構造や形態の事を指します。

  • 組織の上層部とその下につく社員の関係は良好か?
  • 社内全体でのコミュニケーションは、とれているのか?
  • 組織内の部署ごとの関係性は、どうなっているのか?

このように、企業がどの様に組織化され、その関係性は良好なのかなど、組織の形態や構造を表しています。
これらが円滑な関係を築く事が、重要になると考えられています。
システム(System)
組織の業務を行う上で必要な制度やルールの事です。
お給料の制度(歩合制、固定給など)や、勤務態度、業績の評価などの、管理システムや、人事採用・育成の仕組みなどには、一連の流れをスムーズにする、
正しい順序が必要になります。
人間というのは、頑張りの分だけ認められ、それに加え見合った評価・報酬を受ける事でやる気が起きる生き物です。
そうして、組織に貢献してくれる人材育成をする事も、このシステムに該当します。つまり、社員は会社のために、そして会社の社員のために…という、相互に助け合う関係を築くために、システムは大切と云えます。

人に関する「ソフトの4S」

前述のハードの3Sに比べて、改善に時間がかかるとされているのが、ソフトの4Sです。
ソフトのSは、社風や組織文化、それに伴う価値観に根強い影響を受けている為、短期間でのコントロールが難しいとされています。
難しい分、ソフトのSは長期的な企業の成長における力になるため、設立前には「ミッション・ビジョン・バリュー」といった、その企業が向かう先の指し示すコンパスは必須であり、「スタートアップ」や「シード期」の企業は特に早いうちから社員への浸透を意識すべきと云えます。

  • 価値観(Shared Value):組織の全員が共通認識できる目標,理念
  • スキル(Skill):他社との差別化に必要な組織の技術や社員の能力
  • 人材(Staff):組織にいる社員個人の能力把握、人材教育の体制
  • スタイル(Style):経営方針や社風、行動規範となる組織の文化

価値観(Shared Value)

価値観が合うパートナーや仲間なら、自然と長い付き合いができるもの…
全員が同じ理念や価値観、目標を持つことで、それにむけて何をしたら良いのかが、
自ずと見えてきます。そして、そこがゴールとなり突き進む事ができます。組織にいる全員が組織の経営陣の意向を、共通・共感して認識している事も、
重要になります。経営理念や組織のトップの意向を、社員が同じ価値感で認識することで、それぞれの使命や業務を的確にこなすことができます。

スキル(Skill)

組織の技術レベルや業務の遂行能力の事になります。
ライバル会社や、同業他社との差別化を図るには、他にはないスキルが必要になります。営業マンのトーク力、研究員の技術力、先を見通すマーケティングなど、この先に必要とされ、需要が見込めるものが何かを市場調査し、それを作り出し、売り込み、販売するという事を他社より一歩先に行うには、どのスキルも欠かせません。
組織にとって必要な能力は何なのかを明確にし、欠けているスキルがあれば補います。

人材(Staff)

組織に属している人の中で、どんな能力を持っている人が、何人いるのか?
どんな「社員教育、人材育成」がされていて、その後、組織に必要な人材に育っているのか?どんな思いを持って、会社に入社し、ここで何を成し遂げたいのか?何ができるのか?組織は、人が集まる事で成り立っています。そして、戦略を練るのも、管理するのも、スキルが必要なのも、全て組織の人材がいて初めて意味をなす道具でしかないのです。極論…「人材」が全てのキーポイントになっていると云えます。
例えば、話し下手だけど研究成果は素晴らしい人がトーク力の必要な営業に回されていたら、その能力は発揮されませんね。そして、苦手な部署に回された上に、結果が出ないときたら、その人材は育ちにくいでしょう。
社員の能力、傾向などを把握して、適材適所に配置し、教育体制を整える事で、組織に有益な人材が得られるという事です。(親が子供を育てる感覚と類似しています。)

スタイル(Style)

  • 経営陣や上層部のリーダーシップはどのように発揮されているのか?
  • 社内の雰囲気や、パワーバランスは偏っていないか?
  • 人間関係、チームワークは良い方向に向かっているか?

などの、組織の文化や、主体性の有無、会社の社風など行動の規範になる在り方の事です。
年功序列が社内の暗黙のルールとなっている会社で、若手の社員が大きな実績をあげた場合、「年配の社員に手柄を譲らざる得ない…」、
そんな事が当たり前になってしまっては、実績をあげられる実力がある若手社員は会社からいなくなってしまいますね。
良くないスタイルは、組織マネジメントで改善したい部分です。

ハードの3Sから向上させてから、ソフトの4Sにアプローチする

ソフトの4Sは、「社員個人の価値観,スキルアップ,人材の育成など」すぐにどうにかできるものではありません。
例えばスキルを上げるために、資格を取得しようとしても、
その資格の知識をつけ、勉強して、試験や研修を受けなければなりませんよね。
長年、その組織に属してきて社風や組織の文化が馴染んでいるところに、そのスタイルを廃止するので、忘れるようにと言われても、習慣化している考え方や仕様をいきなり変える事は難しいものです。
このように4Sは、人に大きく関わる部分なのでコントロールしにくく、改善・変更には長い時間が必要になります。ただし、忘れてはいけないのがコントロールしにくいならいつかやればいいと思ってはいけないという点です。コントロールしにくいからこそ、根付いてからすぐに意識が変わってしまうリスクも低く、長期的に企業をささえてくれる軸となるのです。これは、頭で分かっていても行動するのは難しい点です。だからこそ、セミナーや本といった先人の知恵をスピーディーに得られるものが存在します。これは活かすべきと云えます。
逆にハードの3Sは、経営陣や組織のトップの意思で、比較的短期間での変更が可能になっています。
経営の具体的な戦略や、社内の制度を変更するのには全社員の了承は必要ないからです。
しかし、3Sを変更したあとに、それを実現するための4Sのコントロールと改善が必要です。その為には、4Sの改善を促す3Sの向上が重要になります。
例えば、3Sのシステムの中で、資格取得で組織に貢献した社員には、資格手当を支給するという給与制度の変更を行います。すると、4Sの人材で、資格取得者が増えて、組織全体のスキルが上がるという事です。
このような効果を狙って、3Sから向上させて4Sにアプローチするべきなのです。

組織マネジメントのまとめ

  • 時間がかかる、とても難しい作業
  • 時代の変化に組織がついていくために必要
  • 組織が効率的に動き、生産性を高めるのに必要

組織マネジメントとは、ハードの3Sとソフトの4Sからなる、組織の管理です。
様々な人が集まって成り立つ組織を、変えようとするのには、大変な労力と、時間がかかります。2019年現在、企業における働き方は過去からは想像できない程に変化し、それが普通になりつつあります。その時代から続いている歴史ある会社でも、従来の在り方を見直し、現代の仕様に変更していかなければ、あっという間に置いていかれてしまいます。組織マネジメントを行う事で、現代の働き手のモチベーションを向上させ、有益な人材を育て、そして組織に貢献してもらう事で、組織の成果が高まります。